月日できごと
1979国連総会で女性差別撤廃条約採択(日本の批准は1985年)
1985男女雇用機会均等法制定
1986ヴィンソン事件(米・連邦最高裁がセクハラは性差別と判断)
1988「性的嫌がらせをやめさせるためのハンドブック 」発売(三多摩の会)
1989福岡事件(初のセクハラ裁判)、92年原告勝訴
1993京大・矢野事件(大学教授による秘書に対するセクハラ事件)
キャンパス・セクシュアル・ハラスメント・全国ネットワーク設立
国連総会で「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」採択
1995第4回世界女性会議 北京宣言
1996米国三菱自動車製造がEEOCからセクハラに関する集団訴訟を起こされる
1998秋田県立農業短期大学セクハラ事件高裁判決。原告勝訴(被害者は抵抗をするはずという「強姦神話」の壁を打ち破った)
1999東北大セクハラ事件で原告勝訴(恋愛関係にあったなどの「合意の抗弁」の壁を打ち破った)
大阪府知事セクハラ事件地裁判決。原告勝訴
男女共同参画社会基本法施行
労働省通達「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」
2000ストーカー規制法施行
2001DV防止法、施行
2005厚労省通知「セクシュアルハラスメントによる精神障害等の業務上外の認定について」
均等法改正(セクハラ対策が措置義務に強化。男女労働者が対象に。施行は2007年)。労働者派遣法・セクハラ指針に派遣元・派遣先双方の使用者責任を明示。
20097「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」一部改正
2015L館事件最高裁判決(最高裁が「合意の抗弁」を否定。セクハラ発言を理由の管理職懲戒は有効とした)
2016均等法、育児・介護休業法が改正され、「妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント防止措置」をおく(施行は2017年1月)
人事院規則10-10改正(SOGIハラもセクハラに含まれると明記)
2017刑法改正(強姦罪を強制性交等罪に、男性も対象、非親告罪化)
2配車サービスで知られるUber社内のセクハラを元女性エンジニアが告発、トラビス・カラニックCEOが謝罪。
5ジャーナリストの伊藤詩織氏が、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏からのレイプ被害を告発。
ハリウッドのプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏の20年にわたるセクハラ、性的暴力への被害告発が相次ぐ。
女優アリッサ・ミラノ氏の提案により、Twitterで性暴力の被害を受けた女性が声をあげる#MeToo連帯が広がる。
オリンピック女子体操の金メダリスト、マッケイラ・マロニー氏が13歳からチームドクターによる性的虐待にあっていたことをTwitterで告白。
伊藤詩織氏が手記『Black Box』を実名で出版(文藝春秋)
俳優アンソニー・ラップ氏が、俳優ケヴィン・スペイシー氏から14歳だった1985年に性的な誘いかけを受けたとインタビューで語る。
元厚生労働事務次官の村木厚子氏が、幼い頃の被害経験をシンポジウムで告白。
ブロガーはあちゅう氏、大手広告代理店勤務時代に上司だった著名クリエイターから受けたパワハラを証言。
グラビア女優の石川優実氏がブログで、枕営業の実態を告白。
2018日本ハム社長辞任事件。ある航空会社が、「自社の社員に対して日本ハムの執行役員がセクハラをした」と日本ハムに対して指摘。その結果、加害者の執行役員とともに、一緒にいた社長も責任を取るかたちで辞任に。
ゴールデン・グローブ賞授賞式で、ハリウッドセレブが黒のドレスやスーツで抗議の意を表明。グラミー賞授賞式では、ミュージシャンが白いバラをつけて#MeTooなどの運動に連帯を表明した。
女優カトリーヌ・ドヌーヴ氏は100人の女性の連名でセクハラ告発を非難する文書を「ル・モンド」紙に掲載。
日本レスリング協会の栄和人氏が、レスリング女子でオリンピック4連覇の伊調馨氏にパワハラをしていたという告発状が内閣府に提出されていたことが判明。
アメリカでは、セクハラがあった企業の株を排除する「反セクハラ上場投資信託(ETF)」が登場。
写真家荒木経惟氏のモデルを16年間つとめた女性がブログで、モデルとして尊重されていなかったことを告白。
モデルの水原希子氏が、Instagramのストーリー機能で撮影時に無理強いされた経験を告白。
財務事務次官セクハラ事件・4/12 テレビ朝日記者が『週刊新潮』にて告発。瞬く間に大きな騒動となった
5/1 女性ジャーナリストたちによる「メディアで働く女性ネットワーク:Women in Media Network Japan(WiMN)」が発足。
日本大学アメリカンフットボール部の選手による悪質タックルが、監督からの指示であったことが選手本人により告発される。
アイドルグループ「虹のコンキスタドール」の元メンバーがプロデューサーで運営会社ピクシブの社長を提訴。
日本でも#MeToo、#WithYouの動き
7日本ボクシング連盟の会長だった山根明氏が、パワハラ辞任。
8日本体操協会が、リオオリンピック体操女子代表の宮川紗江選手に暴力行為をしたとして、コーチを無期限登録抹消処分に。宮川選手は協会からのパワハラを明かす。
9インターネットテレビAmebaTV「極楽とんぼKAKERUTV」生放送中に酒に酔った男性陣からのハラスメントがあったと出演女性が明かす。
10アメリカの最高裁判事ブレット・カバノー氏の過去の暴行疑惑が告発される。
愛媛県のアイドルグループ「愛の葉Girls」の大本萌景氏が3月に自殺、背景に所属事務所からのパワハラがあったとして遺族が提訴。
百十四銀行会長辞任。社員を他社のハラスメントから適切に守れなかったことが非難や辞任の原因に。
加古川市職員セクハラ 最高裁「笑顔はセクハラへの同意ではない」
20191報道写真の月刊紙「DAYS JAPAN」の編集長だったフォトジャーナリストの広河隆一氏による性暴力を、編集部に出入りしていた女性7名が告発。週刊誌の報道を受け、同誌は廃刊。
2大林組の社員が「就活セクハラ」で逮捕
3/8政府は、職場などでのハラスメントを規制し、ハラスメントの防止義務を中小企業にも拡大する一括法案を閣議決定。(早ければ2020年度から順次施行)
5パワハラ・セクハラ・マタハラなどの職場のハラスメント防止対策を含めた「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」、参議院本会議で可決・成立
6沖縄県立芸術大学、セクハラ・パワハラ・アカハラで大学教授を3カ月減給
7東映がヒーローショーででのセクハラ事実を認め謝罪 
厚労省の前局長、知人女性にセクハラで停職1か月の処分
8国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」がテロ予告や脅迫を受け、慰安婦問題を象徴する少女像などのコーナーが展示中止に
8研究費等を不正受給の阪大教授、過去にセクハラもあったとして解雇
11韓国のデジタル性犯罪「n番部屋事件」の報道
12東京都内の学生団体が就活セクハラの根絶を訴えて記者会見
石川優実さんらが厚生労働省を訪れ、「ヒール付きパンプスの着用強制はパワハラに当たる」として防止措置を訴える。#KuToo運動と呼ばれる
20201新型コロナ感染症問題が本格化。感染防止で住環境が閉鎖される中、安全や健康、金銭面での不安が女性への暴力を増やしていると国連女性機関が警告。DVや性暴力が増加。
早大で学生に「無理な課題」を強いるアカハラで教授2人処分 
2東大教授が院生に交際迫りセクハラ、停職処分
5編集者・箕輪厚介氏のセクハラ報道
立教大教員が学生にセクハラ、懲戒解雇 被害対応誤り総長引責辞任へ
6職場などでのセクハラ禁止法案を野党4党が共同提出
ワタナベエンターテインメント常務が所属タレントへのセクハラで役員解任、停職処分
7早大教授、学生「ばか」呼ばわりしパワハラで停職 
ハーヴェイ・ワインスタイン、元社員による訴訟の和解金20億円超となる
8安西彩乃さんが現代アート集団「カオス*ラウンジ」の黒瀬陽平氏らによるセクハラや退職強要をnoteで告発。翌年2月、損害賠償と解雇無効の地位確認を求めて提訴
東京富士大学、元女子ソフト部監督がセクハラで賠償命令
10東京学芸大、准教授を諭旨解雇。セクハラ・アカハラ認定
12大阪大学准教授、学生へのセクハラで停職処分
会田誠氏らのヌード講座は「セクハラ」として、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)に賠償命令
20213阪大が教授を懲戒解雇。体触るセクハラや退職強要のパワハラ
三重大学工学部の男性教授が女子学生に交際を強要、出勤停止処分
兵庫県立大の助教がセクハラで停職3カ月
「表現の現場調査団」が美術や演劇、映像創作の現場でのハラスメントの調査結果をまとめ、厚労省で記者会見
岡山大学大学院の教授 セクハラ行為で停職4か月の懲戒処分
4タレントのマリエ氏が自身のインスタグラムで、現在は芸能界を引退している大物タレントから枕営業を持ちかけられたと発言
厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書(令和2年度版)
6東大教授をセクハラ・パワハラで停職処分。研究室の女性に性的な言動1年間続ける
政治分野の男女格差(ジェンダーギャップ)の解消をめざす改正候補者男女均等法が成立
9美術評論家連盟会長で上智大教授の林道郎氏を、元教え子の女性がセクハラで提訴。10年にわたり関係
12筑波大教授、20代女性の胸など触った疑いで逮捕
20222筑波大学が強制わいせつ逮捕の教授を懲戒解雇
米上院が「#MeToo」法案可決、大統領に送付。職場でセクシュアルハラスメントや性的暴力の被害を受けた人に加害者を裁判で訴える権利を保証
3早大男子学生、女性准教授と大学をアカハラ提訴
『週刊文春』が映画監督・榊英雄氏による女優への性加害報道
俳優・アクティビストの石川優実さんが榊氏による性被害を告発
是枝裕和氏ら6名が、映画監督による暴力行為や性加害について声明を発表
映像メディアの研究者・批評家の有志が「映画監督・俳優の性加害についての報道をうけて」とする共同声明文を発表
複数の女優への性行為強要を報じられた俳優の木下ほうか氏が活動を無期限休止
4俳優・文筆家の睡蓮みどりさんが榊氏による性被害を告発
『週刊女性PRIME』『週刊女性』が映画監督・園子温氏による性加害を報道
NHK みんなでプラス「性暴力を考える “性暴力”裁判 被害女性が語った15分のことば」公開(THYME 卜田素代香さんを取材) 
尾道市立大でアカハラ・セクハラ 停職6カ月、教授は自主退職
6神戸大学の50歳代男性教授がセクハラで諭旨解雇の懲戒処分
和歌山県立医大の50代教授が女性部下の自宅や実家周辺をうろつきハラスメント
名古屋市教育委員会の60歳男性学芸員が30代同僚女性に手つなぐ等のセクハラ
九州大の50代男性教授、セクハラなどで出勤停止7日の処分
7女子学生にセクハラ、神戸大が60代教授を停職
元自衛官・五ノ井里奈さんが自衛隊内での性被害を告発。第三者委員会による公正な調査を求めて署名活動を開始
京都大学化学研究所、教員2名をハラスメントで懲戒処分
10川越市議によるセクハラ事件、女性職員へのハラスメント認め和解
11一般社団法人Colaboと代表の仁藤夢乃氏が、暇空茜こと水原清晃氏に計1100万円の損害賠償を求めて提訴
Equal on Campus Japan(キャンパス・ハラスメントと差別に反対する横断ネットワーク)が、大学間共通の問題であるキャンパス・ハラスメントへの実効的対策を大学・学会・文科省・国に求める要望書を公開
12/20大内彩加さん、実名で会見
20231猪谷千香『ギャラリーストーカー──美術業界を蝕む女性差別と性被害』(中央公論新社)刊行
2園子温氏らによる性加害を告発した元俳優・千葉美裸さんの訃報報道
3ジブリパークで展示物に対するセクハラ写真をSNSに投稿した20~30代男性が謝罪
“弁護士からセクハラ” 舞台俳優の女性 損害賠償求め提訴
「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」BBCがジャニー喜多川氏の性加害報道
Equal on Campus Japanが大学でのハラスメントの対策に取り組むよう求める署名、約2万3000筆を文科省の伊藤孝江政務官に手渡す
6/2『ニューヨーク・タイムズ』が上智大学のセクハラ裁判について報じる
6/3文科省が大学教員のハラスメントの公表基準などについて初の実態調査
6/11日本学術会議の公開シンポジウム「大学・職場・議会のハラスメントを根絶する ~国際比較をふまえて~」開催
6/30九州大学教授 女性の体触るなどのセクハラ行為で出勤停止
7机をけりペンを投げつけ… 早大、教授をアカハラで停職処分
神戸大の30代教員、女子学生にセクハラで懲戒解雇
性被害を訴えていた女優・映画監督の水井真希氏の訃報報道
8批評家の金子遊氏が多摩美大准教授を辞任
東京地裁が、一般社団法人Colaboの裁判でColabo勝訴の判決
9/28山口大医学部でアカハラ、女性講師に労災認定 賠償求め大学を提訴
10最高裁判所が、トランスジェンダーの法律上の性別認定の条件として生殖機能を喪失させる手術を課す国内法を違憲と判断
10/2ジャニーズ事務所の解体方針公表
10/13国立大学協会が「国立大学におけるセクシュアルハラスメントを含む性暴力等の防止について」と題した声明文を公表
11/10「ダメなやつ」学生にハラスメント発言 熊本大准教授を停職処分
11/13公立大学協会が「公立大学におけるセクシュアルハラスメントを含む性暴力等の防止について」と題した声明文を公表
12/6日大芸術学部40代准教授が教え子にセクハラ事件
12/7「映像業界における性加害・性暴力をなくす会」の記者会見(日本外国特派員協会)
12/12陸自元隊員3人 有罪判決 五ノ井さん性暴力訴えた事件 福島地裁
12/14“東映でセクハラや長時間労働”20代女性が慰謝料など求め提訴
12/22愛媛大学 教授がアカハラで懲戒処分
12/25日本私立大学協会が「セクシャルハラスメントを含む性暴力等の防止について」と題した声明文を公表
12/26指導学生に人格否定発言など「アカハラ」 京大工学研究科の60代教授を停職2ヵ月の懲戒処分
12/26週刊文春による松本人志の性加害報道

*参考文献

佐藤かおり著『セクハラ・サバイバル わたしは一人じゃなかった』(三一書房、2019)

白河桃子『ハラスメントの境界線 セクハラ・パワハラに戸惑う男たち』(中央公論新社、2019)