(文責:深沢レナ)

     

最近、対面でもSNS上でも、ハラスメントの告発を考えている被害者、告発した被害者、裁判をしている被害者の方とたくさん知り合うようになりました。看過しない会では個別の相談には応じておらず、わたしも毎日自分のことで手一杯なので、具体的な手助けは何もできないんですけど、これから告発・裁判をやる方に対して「これやっとくといいかも!」みたいな情報はいくつかあるので、簡単にまとめとこうと思います。もちろん個人差がありますので、使えるところだけ使ってください。

     

①証拠保全!!!

    

とにかくありったけの証拠を集めて、保存しておくこと。録音、メモ、手帳、日記、メール、LINE、SNS、病院・薬の記憶・・・etc。

わたしは「証拠に使うかも」フォルダを作って、使うかわからない画像や書類なども、ドライブに保存しています。

「基本、捨てない!」が原則。(でも捨てちゃっても自分を責めない。わたしも大事な録音のファイルなくしてめっちゃ落ち込んだが、なくしちゃったもんはしょうがない)

        

      

      

②関連できごとの年表を作る

      

簡易版・詳細版の両方あるとよいです。簡易版は、重要なできごとのみ。これは「関連できごと年表」の記事を参照してください。詳細版は、自分の主張の根拠となりそうなことや、その事件に関連するかもしれないできごと、ほぼすべてを記しています。画像を参照してください。

     

関連できごと年表 詳細版

      

①で集めた証拠を参考に、事実関係をきっちりかためておくことが不可欠です。

でも被害を振り返るのはとても辛い作業なので、思い出すのが辛い時は、誰かに書き起こしを手伝ってもらったり、表にまとめてもらったりするのもいいと思います。

のちのち裁判となると、膨大な量の資料が提出されます。どの証拠がどこに保存してあるかなども、記載しておくと便利です。

      

      

        

③書類整理はめんどくさくてもやっておく

     

2018年に声をあげた当初、わたしは長くても数ヶ月で終わるだろうと思って、100均のぺらぺらの2つ穴ファイルを買ってきて、郵送で送られてくる書面がたまったら、適当に穴開けて綴じてたのですが、結局、6年かかったいまもまだ終わらないということとなり、大失敗しました(※画像)。いろいろ手続きを踏むと、まじで書面、めちゃくちゃ増えます。

     

6年分の資料。文献なども含めると3箱分くらいあるんじゃないかな。

     

みなさんはこうならないように、ファイルはある程度しっかりしたもの・統一感のあるものを選んだ方がいいのではないかと思います。

また、わたしは一応、自分の出した書面と、相手方が出した書面は分け、相手方のものはあまり目のつかないところに置くようにしています。ムカつくんで。

     

    

     

④PDF化・PCフォルダをわかりやすく整理する

  

書類が届いたらめんどくさくてもすぐにPDF化することをおすすめします。

わたしは、「裁判前」「裁判後」で分け、「被告」ごとと「原告」でわけ、そのなかでそれぞれ「訴状」「準備書面」「証拠」でわけてます。

    

こういう感じ。訴状・準備書面・証拠は被告側もそれぞれある。

     

あと、書面一覧表のスプレッドシートも作っとくと便利です。(証拠一覧参照)    

     

    

    

⑤説明用資料をつくっておく

       

他のハラスメント被害者の方とはじめてお会いしたときになんだか悲しくなるのは、自己紹介のときに、大抵みなさん、もう説明慣れしてて、自分の被害について、声につまることもなく、淡々とわかりやすくプレゼンのようにお話しされるということ。ああ、この方は、自分の被害について理解してもらうために、この説明をいったいいままで何人の方に繰り返してきたのだろう…と思うと涙が出てきます。

わたしの場合も、被害を訴えると決めてから、いろんな人のところに相談にいきましたが、毎回、A42枚のレジュメを作ってもっていっていき、それを見せながら自分の被害について説明していました。(それを早稲田大学は逆にわたしが元気だったことの根拠に利用してきてむかついたりもしたんですが・・・。)

うまく話せる必要なんかないんですけど、でも、レジュメに一度まとめてしまうと、結構楽です。

これも本当は不快なことなのですが、メールやSNSなどの証拠があれば、その画像をみせるとインパクトがあるので、こちらの被害を信じてもらいやすくなるような気がします。そこまでしなきゃいけないことが悲しいことですが・・・。

   

   

   

⑥弁護士選びは慎重に!

    

弁護士は、訴訟となると、何年ものあいだ付き合う大事な訴訟パートナーになります。弁護士との関係が悪いとそれ自体がストレスとなり、苦しむこともあるようです。

ちなみにわたしは、3つの弁護士事務所に行きました。最初は家族の知り合いの大きな事務所でしたが、企業の弁護とかを中心にやってるところだったのでわたしの事案の引き受けには消極的。2つめの弁護士事務所はフェミニズムやハラスメントにくわしい方たちで、わたしの事案にも乗り気でしたが、なんか物言いがすごいマッチョだな・・・と感じたので保留にし、知り合いの知り合いに紹介されて会いに行った3人目の弁護士が、結局、今の代理人弁護士となりました。もともとハラスメント事案専門の弁護士ではなかったのですが、冷静かつ温和な方で、1度をのぞいてほとんど揉めたことがないので、自分はいい出会いに恵まれたなぁ、と思っています。

でも、弁護士探し、まわりの被害者の方たちの話をきくと、みんな結構苦労しているようです。たくさんの弁護士に会いに行ったらそのぶん相談料も嵩みますし。情報力も経済力のある大学と、今まで弁護士に会ったこともないような一被害者とでは、こういう点でも全然力が対称ではないんですよね。また、弁護士のところに相談しに行ったら二次加害をうけた、というケースも残念ながらよく聞きます。まだまだ情報収集中ですが、被害者同士で、ハラスメント事案について理解のある/ない弁護士一覧とかも内輪で共有できるといいなぁ、と思ってます。

   

   

…とりあえず、こんなところで。いつか「メンタル編」も作りたいのですが、いつになるかはわかりません。また気づいたことあったら追記します。